道は22日、道内で新型コロナウイルスの感染者を新たに9人確認したと発表した。このうち3人が渡島管内に在住。函館市では看護師の50代女性と無職の60代男性の2人の感染が確認された。男性は人工呼吸器をつけ、意志疎通が困難で重篤な状態。知内町在住の80代無職男性も感染が確認された。
函館市の50代女性は市立函館病院に勤務。17日にせきやたんなど呼吸器の症状があり、19日に同病院を受診。以降は自宅待機していたが、22日に道立衛生研究所で陽性と判明し、同日、同病院に入院した。
女性は道内4例目の感染となった七飯町議の60代男性が14日に同病院を受診した際に最初に接触した医療従事者。マスクをつけて問診などに当たったが、男性はマスクを着けていなかったという。接触した日から19日の受診までは通常業務に当たっていた。
女性に基礎疾患はなく、軽症だが、症状が悪化したことや陽性と判明したことを受けて入院措置となった。
同市内の60代男性は10日に38・2度の発熱があり市内の医療機関を受診し、その後、発熱と解熱を繰り返した。19日にかかりつけの別の市内の病院を受診し、胸部CTで肺炎の症状を確認しウイルス感染症と判断。呼吸状態が悪化したため、そのまま入院し人工呼吸器を装着したという。22日に同研究所で陽性が判明した。男性に持病はあるが、プライバシー保護の観点から病名は公表していない。
2人に海外渡航歴はなく、発症前2週間は市外に出ていない。市は行動歴や濃厚接触者について調査を進めている。
工藤寿樹市長は「手洗い、マスク、不要不急な外出を控えるなど予防策の徹底をお願いしたい」と呼び掛け、感染の拡大防止と経路の究明に全力を挙げる考えを示した。(小杉貴洋、稲船優香、山崎純一、鳥越裕子)
町独自に感染確認を発表 木古内、知内
【木古内、知内】両町は22日、道が渡島総合振興局管内の80代無職男性と発表した事例について、男性が知内町在住で木古内国保病院に入院していることを防災無線を通じて明らかにした。
木古内町によると、男性は外来で内科を受診。同院では22日現在、41人が入院しているが、患者、職員ともに感染が疑われる人はいない。男性と濃厚接触をしていた看護師は自宅待機中という。家族と患者の面会は2週間ほど中止する。男性の個人情報については、渡島総合振興局の了承を得た上で発表することにした。
木古内町は午後5時半と同6時半の2回、知内町は同3時45分、同7時半の2回、ともに防災無線で不要不急の外出は避けるように呼び掛けた。また、注意喚起のチラシを作成し23日にも全戸配布する。
木古内町では町、小中学校の行事と部活動を当面中止する。木古内小学校で25~26日に予定していた授業参観も中止。知内町内の小学~高校は、24日まで部活動を自粛する。(神部 造)