函館市は13日、椴法華地域のホテル恵風と市灯台資料館(ピカリン館)の指定管理を行う市椴法華振興公社(三輪秀悦社長)を、本年度いっぱいで解散し、指定を取り消すことを明らかにした市椴法華支所は解散の理由に「利益の最も大きいホテル宿泊客が10年前から6000人ほど減少し、同公社の経営に大きな影響を及ぼしている」と説明同公社の財務状況を精査した上で、今後の経営が厳しいと判断した市は新たな指定管理者候補の選定を進める
同公社は1997年4月、旧椴法華村が観光振興を目的に全額出資して設立同年、村が国民宿舎「恵山荘」を引き継いで同ホテルを建設、同公社が第三セクターとして管理運営を始め、2006年度から指定管理者に指定されている
ホテル利用客は、10年前の2005年度に10万3308人だったのに対し、14年度は7万3686人と約3割減少利益が大きい宿泊客は05年度比5980人減の1万5534人と、過去10年間で最低となった経営成績は11年度から4年連続で赤字を計上昨年度は453万円の純損失で、繰越利益剰余金も初めて287万円の赤字となった
同公社の財務状況(3月末現在)は流動負債が流動資産を約590万円上回っており、短期的支払能力が低い状況にあるただ、市は両施設を「同地域にとって不可欠な存在」として、新たな指定管理者候補を選定する予定また、露天風呂や運送バスなど同公社の有形固定資産(約8000万円)のうち、市はホテル運営に不可欠な資産を買い取る考えだ(蝦名達也)