函館市は、JR函館駅前広場のイルミネーション業務の最適提案者として、高田傑建築都市研究室(松風町)を代表法人とするグループに決定した四角すい状に組み合わせた道南スギ製フレームを並べ、函館山の稜線(りょうせん)やいさり火をイメージした空間をつくり上げる同社の高田傑主宰は「全国どこにでもあるものではなく、函館に来なければ見ることのできないイルミネーションを目指した」としている
駅前のイルミネーションは昨年、はこだて冬フェスティバル実行委員会の事業として初めて実施し、「冬場のにぎわい創出につながった」と好評だった本年度は来年3月の北海道新幹線開業を見据え、駅前の事業のみをプロポーザル方式で公募5者から応募があり、審査の結果同研究室と平野建業(日乃出町)、都市電気(堀川町)、文字堂(赤坂町)で構成するグループの提案が選ばれた
メーンの電飾に用いるフレームは四角錐の形状で道南スギを使用駅入り口からの80メートル区間に、頂点の高さや位置を変えたフレーム21基を連続して並べるフレーム内は通行可能で、人が近づくと点灯する仕組みも持たせる
真横から見た場合には、「臥牛の背」をイメージしたフレーム内には「いさり火」に見立てた大小大きさの異なる球状の電飾をつり下げ、ゆっくりとランダムに点灯させるまた、花壇部分には青色LEDを使用し、波打つように点灯させて海を表現するアイデアを盛り込んだ
高田さんは「道南スギは強度に優れた素材で、昼間も美しく見せることを考えた市民、来函者に函館の良いところを感じ取ってもらい、何度訪れても違った表情を感じられるイルミネーションにしたい」と話している今後、提案内容を軸に市と細部を協議し、12月中旬までに点灯を開始する(今井正一)