函館市駒場町の企業局交通部内で、1959年製図の「交通局章」の図面が見つかった函館市章の「巴」を中心にレール断面を表す6つの「工」の字状の記号で囲んだ形で、車両用の記章として巴の半径や空間の幅など寸法が記されている独自の丸みを帯びた算用数字の図面も見つかり、同部は「貴重な発見」としている
局章は路面電車事業が市営化された1943(昭和18)年から現在まで部章として引き継いでいる同部は2013年の路面電車開業100周年時に、公立はこだて未来大学木村健一教授の研究室の協力で、部内で用いられているマークや文字などのデザインを再整理しデジタル化したそれまでは車体用のプレートや印刷物などさまざまな場面で用いられていたが、必ずしも統一された形状ではなかった
図面では、局章の半径は195ミリで、「工」の幅、間隔、プレート化する際の厚さなどが指定され、「昭和34年10月」に製図したことが記されている同部施設課の廣瀬弘司課長は「100周年の時にも探してはいたが、今回別の図面を探した際に偶然見つかった寸法入りの図面はなかったので貴重な発見」と話す
局章のほか、系統板や車体番号などに用いられ、丸みに特徴がある交通部独自の「0」~「9」の算用数字の図面、算用数字とローマ数字の「I・II」を組み合わせ、台車の車輪位置を示すプレート用の図面も見つかった
同部はこれらの図面を元にして、10月に市交通部標準色に戻した「719号車」(図面と同時期の59年に導入が始まった710形車両の1両)の数字の塗装などを施している(今井正一)