函館文化会(安島進会長)は7日、渡島・桧山管内の郷土史研究功労者を対象とした今年の神山茂賞を、文化団体「江さし草会」代表の松村隆さん(88)=江差町円山=に授与すると発表した本賞の受賞は5年ぶり表彰式は神山氏の命日にあたる11月7日午前11時から、五島軒本店(末広町)で開かれる
松村さんは1926年泊村(現江差町)生まれ43年から同町役場に勤務し、63年に江差フォトクラブを創設93年から江さし草会代表を務め、文芸誌「江さし草」を発刊し江差地方の風土・文化の発掘に尽力している同誌は季刊で、現在155号に達している
また、桧山地方の生活文化を写真で記録するとともに、文献資料の少なかった民謡「江差追分」の歴史と現状を明らかにし、松村さんならではの「江差追分史」をまとめ上げた現在は追分録音制作会社「H・Kサービス」社長を務めるほか、自らのシベリア抑留など戦争体験を語り継ぐ活動に積極的に取り組んでいることなどが評価された
松村さんは受賞の知らせを受け「江差の文化、歴史に関する活動が評価され非常に感動しているこの受賞を誇りに今後も文芸誌の発刊などを続けていきたい」と話している
同賞は函館出身の郷土史研究家、故神山茂氏(1893~1965年)の業績をたたえ、函館文化会が1989年に創設函館や近郊の郷土史について優れた研究、出版など事跡を残した個人・団体に贈られる今年を含め18個人5団体が本賞、7個人3団体が奨励賞を受けている(蝦名達也)