道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)のスケトウダラ刺し網漁が始まり、渡島のえさん(椴法華)、南かやべ、鹿部の3漁協で6日、計53・5トン(速報値)の初水揚げがあった初日の漁獲は前年(303トン)に比べ極端に少なく、振るわなかった
漁場形成の早いえさん、南かやべ、鹿部は1日から操業予定だったが、今年は爆弾低気圧の接近で荒天が続き、5日午前0時に操業開始となった
函館市南茅部地区の各漁港には、午前4時ごろから船が戻り、すり身やタラコの原料となる褐色のスケトウを家族総出で刺し網から取り外す作業に追われた
木直の伊豫部喜晴さん(57)は「魚群の反応が薄い魚の型は良いが、今でこれだけの量しか捕れないので、次の魚の来遊を待つしかない」と話した尾札部の佐藤好一さん(63)は「初漁としては不調水温が高いことが影響しているのではないか水温が下がって好漁になってほしい」と願った
道南太平洋での本年度のTAC(漁獲可能量)は前年度より2100トン増の4万8100トン渡島、胆振の採捕数量は10月8000トン、11月9000トン、12月1万9000トン10月に好漁が続いて8000トンを超えそうな場合は、12月分を3000トン前倒しする
道総研函館水試の調査(8月29日~9月2日)では、魚群反応の強い海域は登別~白老沖にあり、漁期の初めとしては渡島の漁獲は厳しい見込み(山崎大和)