知的障害を持つ子どもたちに楽しい夏休みを過ごしてもらう「サマースクール2016in函館」(実行委主催)が9日、函館八幡小学校で始まった。活動は20年目を迎え、延べ約1700人の子どもたちの笑顔に貢献。今年もボランティアが「ここでしかできない経験を」と奔走している。
市内の特別支援学校から24人が参加。ボランティアは同校の学生や市立函館高校の生徒、社会人など総勢150人が集まり、12日までの4日間で染物づくりやプール、調理活動などを満喫する。
1年生の時から参加している実行委員長の庄司光咲さん(4年)は「毎年子どもたちに会えるのが楽しみ。4日間でたくさんの思い出をつくってほしい」と目を輝かせた。
スクールは1996年、環境の変化や行動の切り替えが苦手で、長期休暇中に家に閉じこもりがちになってしまう子どもたちに充実した夏休みを提供しようと、道教育大函館校の教員と学生たちが企画。20年間で児童生徒1766人、大学生ボランティア3344人が携わっている。
参加する児童生徒は年々減少傾向だが、実行委代表を務める同校地域教育専攻の細谷一博准教授は「20年前にはサマースクールのような支援プログラムがなかったが、障害を持った子どもが過ごす場所の選択肢が増えてきた」と時代の流れを前向きに捉える。その上で「これからの20年で私たちができることを、学生や保護者と共に考えたい」と話している。(稲船優香)