第二の人生を一貫に弾む会話と美食でもてなす
レトロモダンなカフェ風の店に、今年6月、粋な暖簾を掲げた「鮨の要心」。熟練の寿司職人が腕を振るい、手間を惜しまぬ仕込みで旨みを引き出す “蝦夷前寿司”が、食通たちの間で話題になっている。
カウンターに立つのはこの道一筋に歩み続けて42年の佐々木要さん。高校卒業後に寿司を主軸にした京都の日本料理店で2年間修業して帰函し、川魚料理店を経て、大門地区にあった老舗寿司店へ。丁寧な仕事に裏打ちされた確かな技術で総店長まで上り詰め、35年間勤めた店を昨年退職した。このまま引退することも考えたが「気兼ねなく寿司が楽しめる店を始めたい」と一念発起。娘の佐々木愛さんが営む地元食材を中心にしたカレー店「すぱいすかれーHARU.」の店舗で、前の職場で部下だった田畑翔さんと、夜だけ営業する店をスタートさせた。メニューは気軽に頼める「お決まり寿司」(お椀付き3,500円~、席代400円)をはじめ、予約制のコース、お好み握りや一品料理、テイクアウト、出前も可能。厳選した日本酒やナチュラルワインも揃う。函館近郊、東京豊洲から仕入れる旬のネタの長所を見極め、寿司を握る佐々木さんの無駄のない手さばきは圧巻の見応え。どんな話題にも対応できるように新聞や雑誌に目を通し、時事ネタ、流行、スポーツ、レジャーなどの情報収集も欠かさない。「街の中心地から離れたこの場所に足を運んでもらうからには、心地よく過ごしてほしい」と、来店客を第一にした真摯な姿勢が、寿司の味をさらに押し上げる。
(ハコラク 2025年11月号掲載)
鮨の要心
函館市日吉町3-44-13 (花園商店街)
☎090-5648-2312
18:00~22:00 (21:00L.O)
日・月曜定休 (ほか不定休あり)
禁煙 P有り(4台)



