箱館戦争の歴史を伝える初夏の風物詩「第55回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が18、19の両日、函館市内で開かれる。「中島三郎助父子最後之地」などを巡る碑前祭や五稜郭公園特設ステージの「開城セレモニー」などのほか、今年が最終回となる「第37回土方歳三コンテスト全国大会」や、来年から内容を変える予定の「維新行列・音楽パレード」などを行い、箱館戦争で命を落とした志士らに思いをはせる。
協賛会は函館商工会議所などでつくられ、箱館稜雲社などが協力している。地元五稜郭の活性化も柱に半世紀以上続けてきた。事務局によると、近年はイベントの出演者や協力者が減少し、新型コロナウイルスの影響で深刻化。また、パレード実施にかかる警備費用の高騰や交通規制のあり方も踏まえ、「祭りとして原点回帰するため、内容の方向転換が必要と考えた」と事務局。
「土方歳三コンテスト」は道内外から30人以上が参加した年もあったが、最近は10人を下回ることも。今年は最終回と知った土方ファン14人が応募している。1000人以上が練り歩く維新行列・音楽パレードも近年は600人程度。土方コンテストからは例年優勝者らのみだったが、今年は全員が参加する。
碑前祭は今後も継続するが、パレードや五稜郭公園特設ステージで行う内容を検討する。事務局は「これまでやっていたことをそのまま郭内で続けることはない。一から作り上げ、五稜郭を元気にし、箱館戦争の歴史を伝えることは変わらない」としている。
18日は午前10時から市内4カ所で碑前祭、午後1時から五稜郭公園特設ステージで祭りの開会宣言に続き土方コンテスト。19日は午後1時から維新行列・音楽パレードで、行啓通での戦闘パフォーマンスは同2時から。同3時から同ステージで開城セレモニーを行う。(神部 造、山崎純一)