賃貸住宅大手の大東建託(東京、小林克満社長)は8日、道内を対象とした「街のすみここち&住みたい街ランキング2020」を発表した。駅や自治体別でいずれも札幌圏が上位を占める中、自治体別では住みたい街ランキングで函館が2位に、住みやすさランキングで七飯町が道南圏トップの14位に輝いた。
ランキング調査は昨年に続き今年で2回目。今年度の調査は3月17日~4月3日に実施された。
住みたい街ランキングは札幌都市圏21自治体の回答者の声が反映されている。同ランキングを自治体別でみると、函館市は昨年の6位から2位に順位を上げたものの、住みやすさでは25位(前回18位)とダウン。同社賃貸未来研究所の宗健所長は「函館に住んでみたいという声が多く聞かれた一方で、実際に住んでいる人の評価は低かった。これは全国的に知名度の高い他の街でも見られる傾向」とする。住みたい街に対する回答のうち、「特にない」「今住んでいる街」と答えたのは72・7%に上り、「現状肯定派が主流」(宗所長)と、依然として大都市圏の人気の高さが浮き彫りとなった。
住みやすさランキングは道内に居住する20歳以上の男女を対象に、19・20年度調査の累計をもとに集計。自治体別でみると七飯町が道南圏トップとなる14位にランクインした。同社によると、実際に町内に居住する人の意見として、自然が豊かで人が密集していないことや、近隣市町へのアクセスが容易な点、充実した医療助成制度などで高い評価を受けたという。
このほか住みやすさを因子別にみると、函館市は自然・観光で2位。北斗市は行政サービスで13位、物価で8位。七飯町は生活利便性で10位、静かさ・治安で4位、物価で2位などとなっている。
同社は今回のランキングにおける新型コロナウイルスの影響はほとんどないとしている。(野口賢清)