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防災主眼のコミュニティーを 北海道南西沖地震で被災した東北大定池助教に聞く

 北海道南西沖地震を奥尻島で被災したことをきっかけに、防災研究を志した東北大災害科学国際研究所の定池祐季さん(39)。発生から25年の節目に、当時の様子や防災に対する心構えを聞いた。
  (聞き手・深津慶太)
 ――南西沖地震が発生した時の様子は。
 当時は中学2年生でした。自分の部屋にいた時、約1分半の長い揺れに襲われました。たんすとその上に乗ったラジカセをとっさに押さえたが倒れてしまい、その場に座り込みました。電気も消え、真っ暗になってしまいました。すぐに津波が来るとは思いませんでした。日本海中部地震(1983年)を経験していた近所の人が教えてくれ、高台へ逃げ、家族で車中泊をして一夜を過ごしました。
 ――25年の間に道南でも人口減少や高齢化が進み、津波からの避難に不安を感じる住民もいると思うが。
 海が近くにある生活が好きな人もいます。豊かな人生を送ることが大切で、高台移転がすべて正しいとは思いません。その分、住民自身で身を守る方法が必要。車が使えない場合はどうしたらいいのか、厳しい冬に避難する時はどうするかなど、住民同士が助け合って考えないといけない。
 ――自助・共助・公助の仕組みを整えていくには、どうしたらいいのか。
 普段の近所づきあいを重ねて、いざという時に役立てば良いという発想ではなく、防災を主眼に置いてコミュニティーを作っていく気持ちが必要です。人の命はかけがえがない。たとえ仲が良くなくても、考え方が違っても、命が大事という価値観は共通です。
 函館えさん小の避難路整備では、子どもの安全対策を契機に地域がまとまりました。高知県では行政が避難タワーを整備し、住民の目標物ができたことで、タワーに至るまでの避難を住民自身で考え始めています。
 何気ない普段の生活が防災につながる「結果防災」という考え方もあります。行政が進める介護予防は、自力で避難可能な体力の維持につながるという見方もできます。防災はゴールのないマラソンのようなもの。アイデア次第で楽しく取り組むとともに、目標を「見える化」することが大事です。
 さだいけ・ゆき 1979年上川管内剣淵町生まれ。父の転勤で奥尻島に暮らしていた93年7月に被災。北海道大学大学院文学研究科修了。災害の伝承などが研究テーマ。










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