函館市民に広く知られている「函館いか踊り」の作曲者で、埼玉県越谷市在住の音楽プロデューサー、高橋徹(あきら)さんが15日午前7時43分、大腸がんのため同県内の病院で死去した。62歳。通夜、告別式は20日までに終了した。
高橋さんは1953年12月、東京都出身。1980(昭和55)年、旅先で訪れた函館でいか踊りの発案者の一人、吉川平八郎さん(68)らと知り合い、依頼を受けたことをきっかけにいか踊りの作曲を手掛けた。86年には自ら歌を吹き込んでレコード化、さらにはCD化され、函館市民に踊りを浸透させた。
毎年8月の「函館港まつり」では、メーン行事「ワッショイはこだて」のいか踊り自由参加に毎年欠かさず参加し、盛り上げ役の〝アキラさん〟として多くの市民に親しまれた。
高橋さんの突然の死に、函館いか踊り実行委の関係者らは大きな悲しみに包まれた。二人三脚でいか踊りを広めた前委員長の平八郎さんは、取材に対し「アキラがいなければ、いか踊りはこれほど大きくならなかった。思い出は一言では言えない。ありがとうという思い」と涙ながらに語り、盟友をしのんだ。
今年1月には東京ドームで開かれた「ふるさと祭り東京」の会場でいか踊りを披露するなど、元気な姿を見せていた。吉川久康委員長(44)は週明けに対応を協議するとし「こんなに急に亡くなるとは思っていなかった」と、沈痛の面持ちで話した。(千葉卓陽)