明治期に製造され、大正、昭和初期に活躍した函館市電の車両を再現した「箱館ハイカラ號」の今季の運行が15日に始まった。電車はレトロな雰囲気の制服を着た専属の運転士が乗り込み、現代の街並みの中で、情緒を振りまくように走り回っている。
「ハイカラ號」は1910年に千葉県成田市で運行されていたが、18年に函館へと移り、以後36年まで客車として運行していた。92年に、函館市制70周年の記念事業として当時の車両を復元し、93年から「箱館ハイカラ號」として4~10月の観光シーズンに期間限定で1日に4運行している。
観光客の集まるJR函館駅前では、茜色の車体がお目見えすると、多くの人がスマートフォンやカメラを向けて車両を写真に収めていた。岩見沢市から観光で訪れていた宮本尚志さん(61)は市街を走るハイカラ號をカメラで撮影し「北海道で明治・大正時代のロマンを感じられる函館らしい車両だと思う」と話していた。
今季の運行は10月31日まで。5月3日、10月31日を除く毎週火、水曜日は車両点検のため運休する。料金は一般の車両と同額。http://haikarago.jpでハイカラ號の位置情報を確認できる。(大谷健人)