函館市公民館(青柳町、遠山孝一館長)を生かしたまちづくりを推進してきた市民団体「函館市公民館活性化ネットワーク」(イキ!ネット、松石隆代表)が13日、設立当初の目的を達成したとして解散した。運営資金の残金で譜面台などを市教委に寄贈し、10年間の活動にピリオドを打った。
イキ!ネットは、老朽化していた同館を市民の生涯学習、文化交流の拠点として再生しようと、2006年に発足。07年からは「公民館マチネ」と銘打ったコンサートを定期的に開催した。25回で230人が出演し、観客約4000人を動員。来場者にアンケートを実施し、公民館のあり方をまとめるなど、活動は改修の契機となった。
同館は昨年4月、改修工事を経て昭和初期のレトロな雰囲気そのままに生まれ変わった。遠山館長は「使用料の安さも相まって、発表会はもちろん、練習に使う市民が多い。改修前より稼働率はアップしている」とする。
改修完了と利用実績の伸びを受け、イキ!ネットは解散を決断。譜面台やピアノいすなど、計24万円相当を寄贈した。市教委の山本真也教育長は「素晴らしい公民館の存在を伝え続けてくれてありがたい。大切に使わせていただく」と述べた。
松石代表は「改修という形で活動が実を結んだ。声を届けてくれた市民に感謝したい。函館の雰囲気に合う室内楽の一層の振興につながれば」と話した。(稲船優香)