1945年7月14、15日に起きた函館空襲の戦災地域を巡る現地学習会が5日、函館市若松町の摩周丸前広場など周辺で行われた戦後70周年の節目に犠牲者、殉職者をしのび、平和学習へとつなげていこうと、函館空襲を記録する会(浅利政俊代表)が企画し、市民約50人が参加した
浅利代表が案内役を務め、一行は同広場をスタートし、大手町のビルや樺太引揚者上陸記念碑、函館市役所前などを巡った浅利代表は空襲前の6月下旬に米軍機によって撮影された市街地の偵察写真を引用しながら、軍需物資の輸送拠点となっていた函館港や函館駅周辺が攻撃の標的となっていたと説明また写真から、日本の軍事作戦の一環で民家や店を取り壊す建物疎開が行われていたと指摘した
襲撃に見舞われた松風町の商店街で浅利代表は、母親とはぐれて防空壕へ逃げ遅れて犠牲となった幼児の話を紹介し、「戦争になると他人を気遣うことさえできなくなる史実の中にいくつもの悲しい話がある」と述べた
市内の石岡佳子さん(61)は「戦争を知らない世代が次の世代に伝えていくには、今回のような勉強をしていくことが大事だと思ったもっと深く学び平和や反戦について考えていきたい」と話していた(鈴木潤)