今年の道南地方は、近年続いた8月中旬以降の厳しい残暑はみられず、「暑さもお盆まで」といわれるような〝短い夏〟に終わりそうだ比較的穏やかな気候が続いた中で、各地の「夏物商戦」は例年並みの様相となっている
地ビールの「はこだてビール」(大手町)の売り上げは、昨年からの全国的な地ビール人気を受けて今季も好調を維持7月に若干伸び悩み、同社は「北陸新幹線開業で、函館に来る観光客が流れた印象」とみるただ「クラフトビールや北海道の食材を使ったメニューが好調で、その後はばん回した」という
製氷販売の田村氷室(大森町)は、暑さが続かなかったため、飲食店に対する販売が例年の6~7割減となった一方でかき氷用の角氷は、全国的なブームにより顧客店舗やホテル、専門店などから注文が相次ぎ、売り上げが倍増した
鈴木牧場牛乳(北斗市向野)では、ソフトクリームの売り上げが例年の約2割増お盆の1週間がピークだったという
イトーヨーカドー函館店では、衣類などの夏物が出始めた5月は肌寒さから低調だったが、7月後半から8月の割引企画が好評で、ほぼ例年並みの売り上げに秋物商品の導入は早まる傾向があり、特に今年は「お盆前からの対応が功を奏し好調」だというまた、来春の北海道新幹線開業効果が土産コーナーの売れ行きに現れ、お盆時期に新駅ができる木古内の商品が飛ぶように売れ、新幹線パッケージなどの工夫も帰省客らの注目を集めた
テーオーデパートも、夏商戦の売れ行きはほぼ前年並みだが、お盆明けには婦人服を中心に秋物の売り上げが伸びている肌寒さを補う羽織ものの中でも今年は丈の長い「ロングカーデガン」が人気だ紳士服コーナーは、9月末までクールビズに取り組む企業があることから、「変化はあまりない」(担当者)とする
ケーズデンキ函館本店(美原3)では、エアコンの売り上げが7月まで伸び悩んだものの、8月に入り例年を2割程度上回った冬に備えて、暖房機能を重視した製品の購入が多かったという扇風機は今夏も完売状態だったほか、今季の売れ筋は除湿機で「除湿で体感温度を下げて、蒸し暑さを乗り越えようとする動きがあり、例年と比べて約1・5倍売れた」という(田中陽介、能代俊貴)