少子化対策や子育て世代への支援拡大に本格着手している函館市は、出産を控えた女性を継続的にサポートする「産前・産後ケア事業」を始める助産師の相談支援員が市内在住の妊婦全員を対象に面接や電話相談を行うほか、出産後の母親と乳児を産科などの医療機関に一定期間宿泊させ、育児に関する保健指導を行う「宿泊型産後ケア」を実施する考えだ
4月に施行された「子ども・子育て支援新制度」が定める利用者支援事業の一つで、19日開会の定例市議会に提出する一般会計補正予算案に231万円を計上した
相談支援事業は、市総合保健センター(五稜郭町23)に妊娠届出書を提出しに訪れた妊婦に対し、相談支援員が面接を実施また、同センターに来られない妊婦にも電話で体調や不安事項がないかなどを聞き出す必要に応じて地区担当の保健師や医療機関と連携し、産前から継続的な支援を行う
個人委託事業として実施し、相談員数名がローテーションで窓口の対応を行う予定だ
宿泊型産後ケアは、分娩を取り扱う医療機関への委託事業で、空きベッドを利用し、希望する利用者に1組あたり原則1週間宿泊してもらう同部は「通常なら出産後5日ほどで退院するが、初めて子どもを手にする場合や、30、40代で出産する母親は育児に関する不安が大きい」とし、母親の心身のケアとともに、沐浴(もくよく)や授乳の仕方、乳房管理、乳児の栄養管理などの保健指導を行う
月2人ほど宿泊対象にする見通しで、利用希望者は事前に相談支援員と面接して決定する市は10月をめどに、女性が抱える結婚、子育てなどの悩みに対応する相談窓口「マザーズ・サポート・ステーション」を設置する考えで、「同ステーションの職員とも情報を共有し、妊婦への支援を強化していきたい」としている(蝦名達也)