函館市民映画館シネマアイリス(本町)は1996年5月24日の開館から25周年となるのを記念し、14日から4週間にわたって、「海炭市叙景」(熊切和嘉監督、2010年)をはじめとする同館が製作した佐藤泰志原作映画4作品を順次、リバイバル上映する。菅原和博代表(65)は「久しぶりの上映で、スクリーンで見てもらいたい」と話している。(今井正一)
上映するのは、14日から「海炭市叙景」、21日から「そこのみにて光輝く」(呉美保監督、14年)、28日から「オーバー・フェンス」(山下敦弘監督、16年)、6月4日から「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督、18年)で、各1週間を予定。入場料は1000円とする。
同館の25年の歴史のうち、この10数年は佐藤原作小説の映画化と歩み、地方発の作品を生み出す映画館としても知られるようになった。菅原代表は「佐藤さんの小説と出合って、1本映画を作ることができるなら『海炭市叙景』しかないと思った。大勢の仲間と撮りあげ、函館への思いをはせた人たちの結晶のような作品」と振り返る。
いずれの作品も国内外で高い評価を受け、今秋には5作品目となる「草の響き」(斎藤久志監督)の公開が控える。菅原代表は「原作が書かれたのは30年以上も前だが、その世界観やテーマ性は今の時代にも通用し、古ぼけていないのが魅力。各監督が腕を振るった多様な佐藤泰志の世界を楽しんでもらいたい」と話している。
期間中、上映がない日もある。問い合わせは同館(0138・31・6761)へ。