新型コロナウイルス感染後の
リハビリテーション
新型コロナウイルスが世界的に流行を始め早2年が経ちました。感染対策による変化した生活様式の中、皆さんの生活にも大きな影響を与えています。
コロナに対する予防策、ワクチン、治療薬などの話題はメディアでも多く取り上げられており、ご存じの方も多いと思います。そして重症化した症例の多くでは、リハビリテーションも実施されています。
新型コロナウイルス感染症の主要な病態は呼吸器症状です。重症化し入院が長期化すると、息切れなどの呼吸器症状、筋力低下、人工呼吸器装着による合併症などにより生活に支障を来します。低下した呼吸機能に対し、呼吸筋の強化、排痰(肺に溜まった痰を出す)、息苦しさに対するパニックコントロールなど、理学療法士が中心となり呼吸のリハビリテーションを行います。呼吸症状が改善してきても、筋力低下が原因で歩けなくなってしまう患者さんもいらっしゃいます。それだけでなく、トイレに行く、お風呂に入るといった日常生活動作が困難となってしまうことも多く、これらに対しては、作業療法士が中心となり日常生活を取り戻すためのリハビリテーションを施行します。
もう1つ大事なのが食事です。コロナは味覚障害を引き起こすと言われていますが、それだけでなく、人工呼吸器を装着した後は、嚥下障害などにより、思うように飲み込みができないケースもあります。これに対し、言語聴覚士が中心となり食事が摂取できるよう訓練を施行します。
このように、コロナ後の治療において、さまざまなリハビリテーション職種が携わっています。退院後も後遺症が残り、長期的なリハビリテーションが必要となるケースもあります。
私たちリハビリテーション専門職は、個々のニーズに合わせ社会復帰をサポートする専門家です。
(ハコラク 2022年 4月号掲載)
西堀病院
函館市中道2-6-11
☎0138-52-1531
http://www.nishibori-hosp.or.jp/
■診療科目/内科、消化器内科、循環器内科、外科
整形外科、肛門内科、リハビリテーション科
■診療時間/月~金 9:00~12:30
13:30~17:00
■休診日/土・日曜・祝日