まぶたの劣化は老化度合いの物差し
上まぶたは、目を開く役割があり、持ち上げる腱膜や筋肉が伸びてしまうと①眼瞼下垂になり目が開き切らない状態になります。②上まぶたのくぼみ(痩せ)は、目の周りの皮下脂肪の減少、ハリのもととなるコラーゲンやエラスチンの減少と筋肉の衰えによるもので、三重にも四重にもなることがあります。③下まぶたの目袋のむくみ・たるみは眼輪筋が下がらないように押さえているスジのような「リガメント」が緩むことにより、緩んだ分だけ下に外にたるみが大きくなり、まるで雪崩のように、どんどん目袋は膨らみ下に垂れていきます。④目の下のプヨプヨは眼球を保護するクッションの役割をするための脂肪の塊が前側に出てきてしまったことによります。
①~④の症状は、もちろん加齢が原因なのですが、特に若い頃から美容に関心があり、目の周りもグリグリとマッサージなどを習慣的に行ってきた方に多くみられます。一生懸命お手入れしたことが、かえって劣化の原因になってしまうなんて悲しいですが、顔は必要以上に触らないことです。触る→摩擦→炎症→ゆらぎ肌→肌荒れ→ニキビ→色素沈着やシミが増えます。顔の表情筋は幅広の平ゴムと思って下さい。パッティングやマッサージで伸びきったゴムは縮むことができなくなる→つまり持ち上げることができなくなる→たるんで下がりブルドッグ顔になる、という結果になってしまいます。
特に目の周りの皮膚は全身で一番薄い皮膚です。目の周りのマッサージを続けていると、皮膚も伸びきって目が開きづらく眼瞼下垂のようになり視界を邪魔するようになります。劣化をなるべく遅らせるには、①そっと泡洗顔②化粧水や美容液で保湿③乾燥する時のみクリーム。この3ステップ以内のシンプルなスキンケアで十分です。劣化を防ぐために、正しいスキンケア方法を身につけましょう!
(ハコラク 2022年5月号掲載)
略歴
昭和62年、順天堂大学医学部卒業後、日本大学眼科学教室へ入局し日本大学板橋病院勤務。平成5年、日本大学大学院を卒業し国立札幌病院勤務を経て平成9年、藤岡眼科病院へ、平成19年、副院長に就任。医学博士。
藤岡眼科
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