札幌ラーメンから生まれた函館育ちのスパイス香る一杯
原点は70年前の札幌。ジンギスカンとラーメンの店に始まり、すすきののラーメン横丁への出店を機に「満龍」の名を掲げた。その後、苫小牧、室蘭、青森へとのれん分けされ、1970年に〝函館満龍〟が大門地区に開業。当時は塩やしょう油が主流で、味噌ラーメンをここで初めて食べる地元客も多かったという。「みそカレーラーメン」(700円)は、創業者のおいにあたる先代・佐藤正男さんが函館で独自に考案したもので、継ぎ足しながら守るコク深いスープに、スパイスと味噌の味わいが絶妙なバランスで引き立つ。86年、深堀町に移転した店を現在は息子の正志さんが受け継ぎ、コシの強い生卵麺や麹の風味が豊かな「道南食糧工業」の味噌を取り入れるなど、味にさらに磨きをかけた。近年では函館観光大使の楽曲とコラボしたメニュー「愛しの塩ラーメン」(800円)が話題を呼び、毎週木曜のサービスデーには行列ができることもしばしば。満龍の伝統と共に新たな歴史を刻み続けている。
(ハコラク 2020年2月号掲載)
元祖みそカレーラーメンの店 満龍
函館市深堀町31‐54
☎0138‐56‐8055
11:30~21:30
火曜定休 禁煙 P有り