道は1日、5年に1回行われる2020年国勢調査の速報値(道独自集計)を発表した。道南2市16町の人口は41万4063人で、前回調査(15年)に比べ6・0%(2万8605人)減となり、全市町で減少した。函館市は道内179市町村のうち、1万4708人減と全道一人口が減った。人口減少が止まらない中、地方の活力維持に向けた自治体の対応が求められる。
調査は昨年10月1日時点で行われ、今年11月に総務省が確定値として公表予定。
渡島管内で最も増減率が大きかったのが木古内町の15・6%で、全道179市町村中で175位。次いで松前町の14・7%(173位)、福島町の14・2%(171位)と減り幅が大きかった。一方、子育て支援や移住施策に力を入れ、函館市から転入する人が多い七飯町が1・5%減、北斗市が4・4%減と小幅にとどまった。函館市の減少率は5・5%だった。
桧山管内も、二桁台の減少率を記録した町が多い。乙部町12・8%減、せたな町12・6%減、上ノ国町11・6%減、厚沢部町11・3%減、奥尻町10・3%減と軒並み下落した。
市町村別の人口では、函館市が札幌市、旭川市に続き3位の25万1271人、北斗市が17位の4万4331人。
人口が増加したのは札幌市や千歳市など12市町村あり、函館市を含む167市町村で減少した。
全道の人口は522万8885人で、前回から2・8%(15万2848人)減だった。
函館市「自然減、社会減への対応進める」
国勢調査の結果を受け、函館市企画部計画調整課の高橋紀子課長は「自然減と社会減、双方への対応を進めていく必要がある。市民が生活しやすく子どもを育てやすい環境づくりに力を入れるとともに、自分の能力を生かすことのできる仕事に就ける状況を整える必要がある。将来を見据え、人口減少の速度が緩やかにしていく施策に取り組んでいきたい」と話している。(山崎大和、小川俊之)