函館市は25日、新型コロナウイルスなどに対応した災害発生時の避難所開設訓練を函館弥生小学校で行った。市が6月に改訂した避難所運営マニュアルに基づく内容で、市職員約60人が参加。感染症に配慮しつつ円滑に避難者を受け入れる体制の確認、備蓄した屋内テントやラップ式トイレなどの設営方法を習得した。
改訂したマニュアルでは、避難者同士の間隔の確保や発熱、せきの症状がある人の待機場所の設置などを追加。今回の想定は大雨警報が出て、警報レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」を発令するため開設した。
訓練は、開設準備など6項目に絞って実施。誘導訓練では、コロナ対策として新たに避難者の健康状態を把握するスペースを設けた。フェイスシールドなどを身に付けた職員が避難者に検温を行い、体調不良はないかや濃厚接触者に該当しているかなどを聞き取り、感染リスクがある人は一般の避難場所とは違う感染症対策区域に案内した。
また、水を使わずにラップで密封する「ラップ式トイレ」や1~2人用の屋内テント、さまざまな用途に対応できる避難所用パーテーションの設置の仕方も学び、有事の際のスムーズな開設に向け取り組んだ。
市総務部防災担当の上野祐二課長は「今後も訓練を定期的に実施し、有事の際の迅速かつ安全な避難所の開設につなげていきたい」と話した。(小杉貴洋)