老朽化した車体の大規模改修のため、函館市電8007号車が6日、函館市企業局交通部の駒場車庫からJR北海道グループの札幌交通機械(札幌市)に向けて搬出された。改修期間は2024年3月中旬まで。同部が2015年度から計画的に進めた1990年代導入車両の改修がすべて完了する。
8007号車は800形の車体を更新した市電の主力車両8000形の1両で97年に導入。同部は15年度から90年代導入車両(8001~8008号車、2000形2両、3000形4両)と8101号車の車体改良を計画的に進めてきた。
搬出作業では、クレーン車で車体をつり上げて台車を取り外した後、大型トレーラー上に慎重に車体を下ろした。
総事業費は6025万円。融雪剤などで老朽化した床下機器類の更新を図るほか、座席を新しくして車内ににぎり棒を増やし、快適性を向上させる。照明類などのLED(発光ダイオード)化に伴い、8000形では幕式の行先表示器が姿を消す。
同部の廣瀬弘司次長は「(脱線など)大きなトラブルが続いているが、少しでも快適に利用いただけるように引き続き施設改善に努めていく」と話している。(今井正一)