大規模な災害が発生して警察庁舎が使用できなくなった場合を想定し、災害警備本部を移転する訓練が10日、函館市石川町の函館運転免許試験場で初めて行われた同本部や函館中央署、函館西署から約30人が参加し、迅速に本部を設置するための態勢を確認した
2011年3月の東日本大震災で、被災地の警察施設が使えなくなったことを受け、道警函館方面本部は、津波の発生を想定し、沿岸から離れ、かつ高台にある同試験場を代替施設に指定し、通信機など必要な機材を今年3月までに配備した同試験場の海抜は約38・5メートル同本部は約13・8メートル函館西署は約2・2メートル
訓練は午前9時ごろに、震度6の地震が発生したという想定で行われ、警察署ごとに無線機などが入ったコンテナを、同試験場2階試験室に運び入れ、通話機約30台や衛星携帯電話、モニターなどを1時間半ほどで設置して災害警備本部を立ち上げたほか、無線機の通話試験も行った
同本部の上杉延嗣警備課長は「今後は災害想定の条件を高めて訓練を継続し、有事の際に迅速に警備本部を立ち上げられるようにしていく」と話した(能代俊貴)