函館市は観光客の受け入れ環境を整備するため、観光施設を中心に公衆無線LAN「Wi-Fi」スポットの拡大を図るスマートフォンやタブレット端末を片手に観光を楽しむ人が増え、外国人客のニーズも強いが、無料で気軽に接続できる環境は整っていないのが現状だ市は希望する民間施設などを含めて本年度は250カ所のスポットを増やす方針で、観光客が足を運ぶ地域を中心に面的な整備を推し進める
19日開会の第2回定例市議会に提出する補正予算案に整備費として800万円を追加した
函館商工会議所や市などでつくる北海道新幹線開業対策推進機構は2012年から「HakodateCityWi-Fi」として、利用環境の拡大を目指し、同会議所や市役所などにも無料スポットを開設した事業開始当初は有料接続の場合もあったが、外国人観光客の増加を受けて無料接続のニーズが高まっているという
同機構は今年3月に無料スポットのガイドマップを発行し、52カ所の情報を掲載したが、観光施設の設置例はまだ少ない市は予算成立後、ルーターの設置を推進する事業者を公募設置後の維持経費は施設側の負担となるが、飲食店など民間事業者にも利用を呼び掛けて、観光客の利用が多い屋内施設を中心に設置を進める
一方で、西部地区など散策しながら観光地をめぐるスタイルが定着している函館の場合は、屋外型のWi-Fi環境整備も今後の課題だ5月31日に函館港西埠頭に寄港したフランス客船の船長は「乗員向けに港でWi-Fiが使えるとうれしい」と要望した大型客船寄港時に、無料スポットに乗員らが滞留するケースもあり、港などの観光施設以外での整備も潜在的な需要がありそうだ
市は来年度も設置事業を継続し、2年間で500カ所程度のスポットを増やし、観光客向けのPRにも努める考え市観光部国際観光課は「外国人観光客にも利用しやすいよう、登録の手間がないような仕様としたい設置施設や店舗の集客にもつながるように、面的な整備を進めていきたい」としている(今井正一)