松前小島の施設から電化製品などが持ち出されていた問題で、道警外事課は9日、松前小島に着岸したことが確認されている北朝鮮籍の木造船の10人の乗組員のうち、自称船長のカン・ミョンハク容疑者(45)=自称北朝鮮清津市=ら3人を窃盗の疑いで逮捕した。残る7人についても入国管理局に身柄を引き渡す。
このほか逮捕されたのはリ・ヨンナム容疑者(32)=同=とリ・トンナム容疑者(59)=同。逮捕容疑は、共謀して松前小島の漁港用地内の物置から発電機1基(時価65万円相当)を盗み取った疑い。同日午前、函館市海岸町に停泊中の海上保安庁の巡視艇上で逮捕した。道警はいずれの容疑者の認否を明らかにしていない。
木造船は11月28日、同小島にいることを道警や海保が確認。翌29日に松前沖で漂泊しているのが発見された。第1管区海上保安本部(小樽)がえい航し、函館湾内での立ち入り検査や事情聴取が続けられていたが、8日には係留するためのロープを切断し、木造船がエンジンをかけて自力で航行を開始。逃走を図ったとみられることから、道警では強制捜査が必要と判断し、3人の逮捕状を取り、9日朝、函館港中央ふ頭にに接岸した巡視艇上で逮捕し、函館中央、西の両署に移送した。
残る乗組員のうち、胃潰瘍のため札幌の病院に入院している1人を除く6人は入管に引き渡した。入院中の乗組員も回復を待って引き渡す。