JR函館線森―石倉駅間で16日未明に発生した貨物列車の脱線事故で、同日から運転を見合わせていた森―長万部間について、JR北海道は19日始発から運行を再開した。一方で遅れやレール周辺部品に破損も見つかり、不安定さの残る再開初日となった。
同社は、18日までに事故現場での枕木やレールの交換を終え、安全確認を行った。16日から18日までの3日間で延べ約1万9000人に影響が発生し、通常運行は4日ぶりとなった。
1日午前5時40分ごろ、始発の特急北斗1号の車両がホームに到着すると、利用客が続々と改札を通過。列車は定刻通りに出発した。友人と札幌に向かう函館市の大学生、鈴木愛菜さん(19)は「札幌に行く予定だったので、前日までバスなど交通手段を考えていたが、復旧して良かった」と安堵(あんど)の様子だった。
同日午後1時半ごろ、同室蘭線静狩―小幌駅間で、線路の点検を行っていた作業員が、レール同士をつなぐ継目板と呼ばれる部品が破損しているのを発見。この影響で函館発札幌行きの北斗11号に約1時間40分の遅れが発生したが、同3時5分ごろ運転を再開。約430人に影響が出た。(中島遼泰郎)



