【森】16日午前1時40分ごろ、森町のJR北海道森―石倉駅間で、JR貨物の名古屋貨物ターミナル(名古屋市)発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車(21両編成)が緊急停車した。運転士が点検したところ、貨車5両が脱線しているのを確認した。事故によるけが人はなかった。JR北海道は札幌―函館間の特急北斗を運休や部分運休とした。復旧のめどは立っていない。
現場は同町鷲ノ木の鷲ノ木道路踏切から札幌方向に約600メートルの付近。JR貨物などによると、同列車の運転士が、走行中に車両が後ろに引っ張られる感覚を覚えたことから緊急停止。運転士が確認したところ、貨車の12、15、17、19、20両目が脱線していた。最後部の20両目は列車本体から30メートル分離していた。
この事故で同日、国土交通省運輸安全委員会は鉄道事故調査官を2人派遣。森署も加わり、レールや貨物列車の調査を行った。
調査によると、脱線は鷲ノ木道路踏切付近から発生しており、貨物列車が停止している同踏切から札幌方向に約600メートル地点まで脱線の跡が残っていたという。また、同踏切付近ではレールの破損を確認。レールの一部は大きく破断しており、破片が踏切に落ちている状態だった。
調査した西本正人調査官は「踏切付近の大きく損傷しているレールが、脱線の原因となった可能性もあるが、現時点で原因は不明」とし、「運転再開に向けて早急に調査を進める」と話した。
事故の影響で、函館札幌間の特急北斗は函館―洞爺駅間で全面的に運休。洞爺―札幌駅間で一部運休となり、22本が運休。普通列車は函館―森駅間で一部運休、森―長万部駅間で終日運休となり、13本が運休した。約5500人に影響が出た。
JR北海道は17、18の両日、長万部―札幌駅間を運行する特急北斗に接続する代行バスを函館―長万部駅間で1日4往復運行する。
2013年8月にはJR八雲―山越駅間で、大雨の影響により線路下の砂利が流失し、通過した貨物列車が脱線する事故が発生。同年9月にはJR大沼駅構内で、本線に合流するポイント付近で車輪が外れ、脱線する事故が起きている。



