函館北中学校(奥崎敏之校長、生徒221人)は7月31日、授業の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」を使い保護者に生配信するオンライン授業参観を初めて行った。新型コロナウイルスの感染拡大で保護者が来校した授業参観ができない中、ICT(情報通信技術)を活用し、子どもたちの学びの様子を発信しようと取り組んでいる。
同校では休校中の4月下旬から生徒の自宅学習に役立ててもらおうと、授業内容をまとめた動画を作成し、ホームページで配信。ICTを取り入れ、学習機会の確保に努めてきた。今回は例年4月に行っている授業参観が感染防止のため実施できていないことから、中学校の授業を見たことがない1年生の保護者を対象にオンラインでの開催を企画した。
この日は1年A組の英語の授業をユーチューブで保護者のみが見られるよう限定配信。教室には前方と後方の隅に計3台のカメラを設置。前方のカメラは生徒が発表したり、ノートを取ったりする様子をズームでとらえ、各カメラの映像を教員が授業の流れに応じて切り替えて配信した。また、授業の雰囲気が伝わるよう授業担当の教員はワイヤレスピンマイクを付け、室内のガンマイクと併用し、集音した。同日の配信は保護者49人が視聴。動画は配信後も閲覧可能で、同校の奥崎校長は「日中は仕事で見られない保護者でも後から見られる。新しい授業参観の形」と強調する。
今後は授業動画と組み合わせ、臨時休校や不登校の生徒への対応としての活用を検討している。同校長は「今回は保護者に生徒の様子を届けられて良かった。今後も積極的な情報発信を続けていきたい」と話している。(飯尾遼太)