お口の健康とタバコ
タバコの悪影響として最も思い付くのは肺がんかもしれませんが、お口の健康にもたくさんの悪影響を与えます。タバコの煙には主流煙・副流煙合わせて少なくとも4000以上もの化学物質が含まれており、その中にたくさんの発がん性物質が含まれています。その煙が口の粘膜から吸収されるため、肺がんだけでなく舌や歯茎などの口腔内のがんや咽頭がんのリスクも高まります。
それ以外の悪影響としましては以下のことが挙げられます。①歯槽膿漏になりやすくなる。タバコを吸うと血流が悪くなり全身の免疫力が低下するため歯周病にかかりやすくなり、喫煙者は非喫煙者に比べて2~6倍ともいわれております。また、タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素には血管を収縮させる作用があり、出血や腫れなどの症状があらわれにくいため、例え歯槽膿漏になっていても自覚できず、気付いた頃にはかなり進行してしまっているということになりかねません。②口臭が強くなる。お口の健康状態が良好な方でもわずかな口臭は存在します。これが喫煙者になるとタバコに含まれるタール・ニコチンの影響により口臭がきつくなりますが、本人は自分の口臭なので気付きづらいため、無自覚に他人に不快感を与えている場合があります。③歯や歯茎が変色する。喫煙者はヤニが歯にこびりついて歯が黄ばんできますが、このヤニは通常の歯磨きで落とすことは非常に難しいです。また、タバコを吸うとメラニン色素が生成されこれが歯茎に沈着し歯茎が黒ずんでしまいます。④虫歯になりやすくなる。喫煙者は唾液の分泌量が減り口腔内の菌が増加することにより非喫煙者の3倍虫歯になりやすくなると言われております。
(ハコラク 2018年6月号掲載)
略歴
平成10年、日本歯科大学新潟歯学部を卒業し、平成14年、日本歯科大学大学院卒業(歯学博士号取得)。大学病院・東京での勤務医を経て平成18年に西巻デンタルオフィス五稜郭を開院。平成15年から日本歯科大学新潟歯学部歯科補綴学第一講座非常勤講師を務めている。
西巻デンタルオフィス五稜郭
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