乾癬とは
乾癬とは、ガサガサとした特徴的な発疹が慢性的にみられる疾患で、いくつかのタイプがあります。最も多いのは「尋常性乾癬」で、乾癬患者さんの全体の8~9割を占めるとされています。皮膚に炎症が生じて赤くなるほか、皮膚表面の新陳代謝が非常に速くなってしまい角質成分が過剰になることで、乾癬特有のガサガサとした発疹が生じます。肘や膝、腰などの関節部分やこすれやすい部位に発疹は出やすく、頭皮や爪の変化がみられることもあります。発疹やかゆみももちろん困りますが、表面のカサカサが剥がれてしまうことで身だしなみや掃除などの負担が増えてしまいます。「乾癬性関節炎」では、指の腫れや手のこわばり、足裏やアキレス腱、背中や腰の痛みなど、さまざまな症状がみられることがあります。そのほか、細かい発疹を特徴とする「滴状乾癬」や、発疹が全身に広くみられる「乾癬性紅皮症」、発熱や臓器障害を伴うこともある「膿疱性乾癬」があります。
乾癬の発症には遺伝的要因も関わっているとされていますが、それに加えて生活習慣やメタボリックシンドローム、感染症などの影響を受け炎症性タンパク質のサイトカインの一部が活性化してしまうことで症状の出現に至ります。体の内側から炎症が生じるため、皮膚や爪の症状だけにとどまらず、関節症状や心血管疾患、各種内臓疾患を併発しやすくなります。最近では、乾癬は全身性炎症性疾患と捉えられるようになってきています。乾癬の発症年代は2つのピークがあり、10~30歳代の早発型と、50歳代以降の遅発型があり、日本では後者が多いです。
治療は外用薬が基本で、ステロイド剤やビタミンD製剤などを用います。改善不十分の場合は紫外線療法、重症例や関節症状などがみられる場合には内服療法や生物学的製剤という注射のお薬を使用することもあります。長引く気になる発疹がありましたら、早めに皮膚科専門医へ相談することが大切です。
略歴
平成24年、北海道大学医学部卒業後、市立千歳市民病院、市立釧路総合病院、市立札幌病院、JR札幌病院、北海道大学病院に勤務。令和5年、函館中央病院皮膚科医長に就任した。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
(ハコラク 2026年5月号掲載)



