函館市は、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境が続く市内の飲食業界を支援する新たな取り組みを始める。ウェブサイトで、テークアウト時に使えるクーポンとともに市内の飲食店情報を掲載し、市民に利用を促すほか、料理や商品の写真を募集するフォトコンテストを開催。協力企業を募り、飲食店などが調理した料理を運営事務局が夕方までに職場へ配達するサービス「おかずデリバリー」の実証実験にも乗り出す。
「おいしい函館応援団」と題し、事業費は500万円。9月末まで展開する。
12日から公開するウェブサイトでは、飲食店や食品小売店のテークアウト、配達などに関する情報と各店で使えるクーポンを紹介。クーポン情報を掲載したチラシも10万部発行し、公共施設などで配布する。
フォトコンテストは情報発信を兼ねてSNSで作品を募集。クーポン参加店の料理、商品をフェイスブック、ツイッター、インスタグラムのいずれかでハッシュタグ(#)「おいしい函館応援団」を付けて投稿すると、8月11日までの毎週火曜、各3人に1万円相当の特産品を進呈する。
おかずデリバリーは、事前登録した企業、団体が対象。6月3~26日の第1弾と7月8日~8月7日の第2弾に分け、週3回展開する。
「夕飯のおかずセット」(1000円または3000円)として各店が考案したメニューをウェブサイトやチラシで紹介。従業員が選んだ希望のメニューを事業所がとりまとめて注文すると、市の委託業者が職場へ宅配する仕組みで、店側は配送スタッフを確保しなくてもデリバリー事業ができる。受け付けは1万円以上で、希望日の2日前までに注文する。
市はすでにテークアウト情報を発信している関係者との連携も視野に入れ、事業を進める考え。市食産業振興課は「飲食店の支援を通じ、生産者や食材を卸す事業者も元の状態に少しでも近づけるようにしたい」としている。
市は、参加店とおかずデリバリーの協力企業を募集しており、詳細は「おいしい函館応援団」の公式ホームページで確認できる。(山田大輔)