テーオーホールディングス(函館市港町3、小笠原康正社長)は15日、2021年5月期の連結決算を発表した。売上高は前期比13・4%減の308億5900万円で減収となったが、当期純利益は1億2300万円と増益し、6期ぶりの黒字となった。また、同日付で、道内でホームセンター「イエローグローブ」などの流通事業を展開する同社の子会社「テーオーリテイリング」がDCM(東京)と資本業務提携し、16日に株式の一部を譲渡すると発表した。
DCMは「ホーマック」などをメインに今年6月末時点で37都道府県で666店舗を運営する大手ホームセンターグループ。テーオーリテイリングは、2017年にテーオーHDから会社分割した流通事業を担い、地域に密着したホームセンターとして全道で30店舗を運営している。今回の提携によりイエローグローブ店舗でDCMのPBなど共通商品を導入し、仕入れコストの削減を図るほか、店舗間の人材交流でノウハウを共有し、より効率的な店舗運営を目指す。譲渡するのは380株(4億7500万円)で、テーオーリテイリングの株式総数の18・99%にあたる。
また、同日発表した5月期決算では、ホームセンターなどの流通事業で新型コロナウイルス感染予防関連商品の需要増、ケアサービス事業の譲渡などにより、営業利益が1億2000万円のプラスに転じ、経常利益も前年のマイナス5億5200万円からマイナス8900万円に持ち直し、増益となった。一方、住宅事業では販売が長期化していた分譲マンションを一括売却、コロナの影響で建設事業、自動車関連事業は不振が続いているが、同HDは「苦しいながら黒字までこぎつけた。一層の選択と集中で底上げを図りたい」とし「DCMとの提携で同業の良いところを取り入れ、高め合っていきたい。提携で純資産は増加する見込み」としている。(飯尾遼太)