【森】町ヒグマ被害対策本部(本部長・梶谷恵造町長)は11日、町役場で対策会議を開いた。昨年対策本部に寄せられたヒグマ目撃などの情報は66件で、最多の2016年の54件より12件増。このうち農作物被害が40件あり、1991年の統計開始以来、最多だったことが明らかになった。
渡島森林管理署や森署、道猟友会森支部、町消防本部、町教委、農協などから17人が出席。梶谷本部長は「昨年は台風で山の実が落下し、ヒグマの食料がなかったため、市街地に下りてきている状況だった。今年も下りてきた時の対策を考える必要がある」と述べた。
事務局の町農林課が昨年の被害状況を説明。目撃や痕跡、被害を合わせて4月2件、5月1件、6月9件、7月18件、8月22件、9月9件、10月3件、11月2件の情報が寄せられた。うち、姫川や濁川などで7頭を捕獲。農作物被害はスイートコーンとカボチャを中心に、養蜂箱やビート、豆類で食害が確認され、合計の被害面積は1・35ヘクタール、被害金額は約325万円に上る。
また、9月に国道5号より海側の森川町に出没した際の対応を報告。民家や学校、老人ホームなどが近く「今年も一層警戒する必要がある」と指摘した。町教委から「特に登下校時に出没した時は、早急に防災行政無線を流してほしい」と要望があった。
今年は猟友会森支部のハンター13人が従事し、捕獲に当たる。地域住民へは町の広報や公式ホームページで出没情報が閲覧できる「ひぐまっぷ」、防災行政無線などを活用しながら情報提供する。(稲船優香)