函館市が目指す北海道新幹線の函館駅乗り入れ構想を巡り、市は6日、市民説明会を市内のホテルで開いた。大泉潤市長自ら講演し「市は深刻な人口減に直面している。これまでの人口減対策やまちの活性化に向けた事業を展開しているが、効果が見えづらい」と説明。新幹線乗り入れを〝幹〟の施策とした函館の活性化を図ると強調した。
約230人が参加。市は今年3月の調査結果公表後、市議会をはじめ、北斗市や七飯町、道、JR北海道など関係機関と協議を進めてきたが、市民に直接説明するのは今回が初めて。
市長は、東京と札幌の両方面から乗り入れ、フル規格で走らせることとし「追加で発生する車両調達費などの実質的な費用負担は、JR北海道に求めない方向で進めていきたい。関係機関との打ち合わせの状況を踏まえ、市の負担の考え方などを協議、整理していく必要がある」とした上で「函館にとどまらず、道南全体の活性化に寄与すると考える」と説いた。
また、北大大学院工学研究院の岸邦宏教授と、日本政策投資銀行北陸支店の飯田一之企画調査課長が基調講演した。
パネル討論は、函館出身のフリーアナウンサー佐藤麻美さんを進行役に、市長、岸教授、飯田課長に北海商科大の池ノ上真一教授を加え、乗り入れに関する利点や課題を語った。利点について、市長は「広域観光という意味で南北海道へ人流を回していく」とした。
整備費を160億円台とした調査結果に関し、市長は「財源のスキームが固まっていない段階なので、何をどうするかはっきり言えないが、既に市民や企業から多額の寄付をもらい、クラウドファンディング(CF)も考えられる。知恵を絞って財源を出す」と述べた。(山崎大和)