歴史的建造物の利活用を手掛ける風のヘリテージ(本社・大阪市、他力野淳社長)は24日、函館市元町の国指定重要文化財「旧相馬家住宅」を改装して3月1日にオープンする宿泊施設「旧相馬家 Kazeno Heritage(風のヘリテージ)」のオープニングセレモニーを開いた。重文指定されている土蔵と未指定の増築部分を改装した3室を報道陣に公開し、高級感と落ち着きのある客室を紹介した。
同住宅は市内で不動産業を営む東出伸司さん(86)が約16年所有した後、高齢のため不動産クラウドファンディングを手掛けるLEVECHY(レベチー、東京、高将司社長)が運営を引き継いだ。SPC(特定目的会社)を設立して同住宅の維持保存に向け個人投資家から資金を集め、宿泊施設の運営を風のヘリテージ社が担う。
客室は全3室ともスイート仕様。1号室(70平方メートル、定員4人)は函館港を見下ろす眺望の良さが特徴。土蔵を客室にした2号室(132平方メートル、定員3人)は重文指定のため室内には手を加えず家具や暖房器具を入れただけにとどめ、水回りを増築部分に置くなど工夫した。3号室(55平方メートル、定員2人)はプライベート感のある作りで、居心地の良さを重視した。
他力野社長(52)は「重要文化財をホテルとして活用、占用できるのは日本でもほとんど例がなく、日本の文化財が残っていくいい事例になれば。日本の歴史や文化、函館を愛する方々に来ていただきたい」と話す。高社長(40)は「地方は都心のような利回りは出しづらいが、都心で稼いでリターンを出し、それを元に地方創生に取り組んでいく」と強調。東出さんは「立派に改装してくれて感動した。あと100年は間違いなく保存していただける」と喜んだ。
料金は1号室が2人1室の場合、1人あたり7万180円から、2号室が同8万8330円から、3号室が4万5980円から(いずれも税、サービス料込み)。6月30日まで函館市と渡島・桧山管内在住者は宿泊料金から25%引きで宿泊できる。
母屋部分は4~11月に有料で一般公開を継続するほか、函館と渡島・桧山管内の住民向けに月1回無料開放する日を新設する。不動産クラウドファンディングは昨年、募集額2億2155万円に対して3億6641万円が集まり、今年も3月から実施する。(千葉卓陽)




