【七飯】きびだんごを中心とした餅菓子製造業、天狗堂宝船(町中島205、千葉仁社長)は12日、国道5号沿いに立地する旧北海道昆布館(峠下)の施設を一部改装した直営の店舗「109“Ziel(テングジール)」をオープンする。昨年11月に建物を取得し、急ピッチで準備を進めている。同社は「地域に根差した魅力ある施設にしていきたい」としている。
同社初の直営店。社名の天狗を109(てんぐ)と表記して店名とし、ジールはドイツ語で目標、目的地といった意味。プロシア(現ドイツ)人のガルトネルが町内で初めて西洋リンゴを植栽するなど、ドイツとのゆかりが深い七飯の歴史をモチーフとし、「ここを目的地としてもらえる店にしたい」と千葉社長。
旧昆布館の建物は鉄筋コンクリート一部2階建てで、延べ約3900平方メートル。このうち、売り場部分、休憩スペースなど約1000平方メートルを整備した。旧昆布館時代のドームシアター部分の屋根を、木箱からあふれたリンゴのように見えるよう赤色に塗り替えた。
店舗では自社商品約50種類と、地域の土産品約800~1000種を取り扱い、店舗オリジナル商品として町特産のリンゴを使った焼きたてのアップルパイやソフトクリームを販売する。店内は木の温もりを感じる造りで、リンゴの木箱を組み立てたショーケースを設置した。
夏場には施設のひさし下屋外スペースも活用することも考え、ドームシアターの有効活用も検討している。国道を挟んで向かいには道の駅「なないろ・ななえ」と商業施設「男爵ラウンジ」があり、千葉社長は「連携したイベントも検討し、三者が共栄共存で地域を盛り上げていきたい」と話す。
店舗営業は午前9時~午後6時。12日は開店時間帯に合わせて三嶋神社(本町)による松前神楽の演舞が予定されているほか、12、13の両日は先着109人に同社人気商品のきびだんごをプレゼントする。(鈴木 潤)



