函館市出身の川端海翼（かいと）騎手（１８、戸倉中卒）と、七飯町出身の鷲頭虎太（わしず・こた）騎手（同、七飯中卒）が８日、日本中央競馬会（ＪＲＡ）の騎手免許に合格した。道南出身者のＪＲＡ騎手合格は１７年ぶりで、現役では函館出身の丹内祐次騎手（３６）がいる。２人は小学生時代から切磋琢磨（せっさたくま）しながら夢をつかみ、３月５日に待望のデビューを迎える。（小林省悟）
　川端騎手は騎手が人馬一体になって追う姿に憧れ、上湯川小６年時に函館競馬場乗馬スポーツ少年団に入団。中学からＪＲＡが実施していた騎手を志す指導プロジェクトの「Ｊドリーマーズ」に参加し、基礎を学んだ。２０１８年に競馬学校に合格した。浜田多実雄厩舎（栗東）所属でデビューする。
　鷲頭騎手は１３年の有馬記念（ＧⅠ）を優勝したオルフェーブルを見たことがきっかけで騎手を目指した。藤城小５年時に同少年団に入団し、中学でＪドリーマーに参加。道秋季馬術大会優勝の実績を持ち、１８年に競馬学校に合格。千田輝彦厩舎（栗東）所属でデビューを迎える。

　「たくさん勝ちたい」「謙虚さ忘れず」一問一答

　ＪＲＡを通じて取材に応じた両騎手の一問一答は次の通り。
　――競馬学校で学んだことや楽しかったなどの思い出は。
　川端騎手　仲間の大切さを学び、楽しかったことは１年生のころに行ったサマーキャンプです。つらかったことは思い通りに乗れず何度も失敗したことです。
　鷲頭騎手　体重制限がある中で、トレーニングと食事量のバランスのとり方が難しかったです。同期と毎日話すのが一番楽しかったです。
　――騎手になることが決まり、最初に誰に伝え、何と言葉をもらったか。
　川端騎手　両親です。「おめでとう。気持ちで負けずに頑張って」と背中を押されました。
　鷲頭騎手　父に伝えました。「並大抵の努力では通じない。プロ意識を持って本気でトレーニングしろ」と言葉をいただきました。
　――乗ってみたいと思った馬と、記憶に残っているレースは。
　川端騎手　ディープインパクトに乗ってみたいです、記憶に残っているのは２０２０年菊花賞のコントレイルです。
　鷲頭騎手　オルフェーヴルが好きですし、乗ってみたいです。１３年の有馬記念はもちろんですが、生観戦したロジャーバローズの１９年の日本ダービーも印象深いです。
　――憧れの騎手とその理由は。
　川端騎手　武豊騎手。４０００勝を超える大きな記録を持っていて、多くの人から信頼される模範となるような騎手だからです。
　鷲頭騎手　川田将雅騎手。レースで冷静に格好良く騎乗し、ストイックなところが憧れです。
　――同じ道南出身者に丹内騎手がいるが、印象は。
　川端騎手　騎乗面で見習うところがたくさんあります。私も丹内騎手のような愛される騎手になりたいです。
　鷲頭騎手　人当たりが本当に良い人で丁寧に接して下さる印象です。数回しかお会いしていませんが、これから交流も増えますのでたくさん話したいです。
　――同期として互いの存在をどう思っているか。
　川端騎手　柔軟性があり、馬の邪魔をしない騎乗で上手だと思います。鷲頭君には負けたくないのでライバルとして見ています。
　鷲頭騎手　良いライバル関係だなと感じています。これからもその気持ちを忘れず、取り組んでいけたらなと思います。
　――夏の函館競馬に向けて。
　川端騎手　騎乗したいです。最終的な目標は函館記念を勝つことです。
　鷲頭騎手　地元で騎乗してたくさんの地元の人たちに恩返しできたら良いなと思います。
　――デビュー１年目の目標と意気込み、決意は。
　川端騎手　まずは多くの人に顔を覚えてもらい、信頼してもらえるようにしたいです。新人騎手の中で１番うまいと思われることが目標。ＧⅠをたくさん勝てる騎手になりたいです。
　鷲頭騎手　新人賞を取れるように積極的に騎乗して、結果を出していきたいです。ゆくゆくは目標である日本ダービーを勝利したいです。常に謙虚さを忘れずに一鞍一鞍大切に騎乗していきます。
　――応援している人たちへメッセージを。
　川端騎手　一鞍一鞍を大切に一生懸命に乗り、一つでも上の着順に導けるように頑張ります。応援よろしくお願いします。
　鷲頭騎手　まずはたくさんの人たちに名前を覚えていただけるように頑張ります。函館で騎乗する際は温かい応援、声援をよろしくお願いします。