「青いシャツ着ているのは自分だけ!(笑)」というメールが次女からきた。「だれもピアスしてない!(笑)」と続いた。留学先から帰国して、学友に遅れてスタートさせた就活初日の話である。
大企業の本社は想像以上に素晴らしかったようだが、それより彼女を驚かせたのは、女子学生全員が襟付きの白いブラウスで、アクセサリーを一つもつけていないことだったらしい。就活のイベントに「正装」で来いという案内があることは知っていたが、実際に見たときは本当に仰天した。
結局娘は先々長く着ることができそうなスーツを購入し、手持ちのブラウスで履歴書の写真を撮ることにしたのだが、そこでも問題が発生した。写真屋さんからピアスはマズいのではないかと指摘されたのだ。就活用の写真ではピアスはつけないという。ピアスが原因で落とされるとしたらご縁がなかったということだろうと娘はそのまま写真を撮った。
普段着や遊び着はダメだというのは分かる。だがそもそも学生の「正装」とはなんだろう。喪服と見間違うファッションに疑問を持たず、小さいアクセサリーもつけない学生、それをあおる社会の風潮はいかがなものだろうか。
最近「うちの学生にはリクルートスーツは着せない」と宣言した大学がある。会社訪問には私服でくるように案内する企業も増えてきた。しかしそれは極少数派。願わくは「何かおかしい…」と気付く学生と企業の増えんことを!(生活デザイナー)