内閣府が初めて行った「性別による無意識の思い込みに関する調査結果」を新聞で見てため息がでた。20代から60代の男女1万人以上の調査だが、男性、女性ともに半数近くが「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」と回答。そして男性の約30%が「家事育児は女性がすべきだ」と思っているとの結果だった。
驚いたのは、女性の23%も同じ考えだということだ。男女共同―と言われて久しいので不思議な気がしたが、女子大生の専業主婦願望は意外に多いし、結婚したら仕事は辞めると言う若い女性も大勢いる。これが現実なのだろうか。
子育ても介護も簡単ではない。仕事との両立は実に悩ましい。わが家は夫婦で力合わせて何とかやってきたが、時代は簡単には変わらないようだ。
先日、10年ほど前に花や料理を教えていた生徒さんたちがやってきた。今は仕事をしながら子育てに忙しいママさんたちだが、サンドイッチや空揚げなどを持ち寄り、短い時間だったがランチをご一緒した。教室に通ってくれていた独身時代よりはるかに手際よく盛り付けをし、食卓を整える様子から、彼女たちが日々しっかり生活していることがよく分かりうれしく思った。
明るい笑い声は絶えなかったが、仕事も育児も家事も、迷いの連続の様子。たまにはひと息つくこと、誰かに話すことで解決することはたくさんある。ひとりで抱え込むことだけはないようにと祈る思いだった。
(生活デザイナー)