函館市の地域おこし協力隊に外国人で初めて、マレーシア出身の潘朝陽(プーン・チャウ・イエング)さん(27)が着任した。地元食品の魅力を海外バイヤーに発信したり、海外企業と函館の企業をつないだりする窓口として、市の貿易振興をサポートする。任期は最大3年間。
プーンさんは2016年4月に来日し、江別市の酪農学園大大学院へ留学。同院の紹介がきっかけで協力隊の活動に興味を持ち、国内での就職を経て、このたび同隊募集に応募し、8月17日付で着任した。
現在は、市から輸出ビジネス支援業務を受託している北海道国際交流センター(HIF)に在籍。今後は、海外のバイヤーが来函時に配ることを想定して、函館の名産品や食産業、食のイベントなどをまとめた冊子を制作する。5カ国語(日本語、英語、中国語、広東語、マレーシア語)を話せる強みを生かし、日本語版と英語版を用意し魅力を発信。また、HIFに開設予定のサポートデスクで海外と市内の企業をつなぐワンストップ窓口の役割を担う。
同31日にHIFの池田誠専務理事とともに市役所を訪れ、谷口諭副市長に着任のあいさつをした。プーンさんは「人生1回きりの機会だと思って、市民として函館の貢献に協力したい」と意気込み、谷口副市長は「外国人が持つ広い視野で函館と海外をつなぐ架け橋になってほしい」と激励した。(長内宏人)