函館市の工藤寿樹市長と市民が意見を交わす「市長のタウントーキング」の本年度1回目が29日、市役所で行われた。函館大ビジネス企画研究室が函館と台湾の交流人口拡大につなげるため、教育旅行の促進を提案したことに対し、工藤市長は「函館から台湾への教育旅行を促進したい」との考えを示した。
同研究室が事前に調査した青函の高校12校は全校が国内旅行を選んでおり、釜萢真希さん(3年)は「学校側が懸念している予算面は直通便を利用すればクリアでき、安全性も函館と同程度」と説明。工藤市長は「誘致は既に取り組んでいるので、函館の高校に台湾への教育旅行を促したい。まずは市と皆さんと高校の修学旅行担当の先生で課題を話し合う場が必要だ」とした。
HIF(北海道国際交流センター)の留学生を受け入れるホストファミリーの会(木内雅夫会長)ら4人は、ホストファミリー登録の新規獲得に苦心していることから、市職員の新規登録奨励などを要望。工藤市長は「市職員やOBに働きかけたい」とした上で「1週間など短期間でも受け入れられるよう募集を工夫してみては」と助言した。
道教育大函館校の藤巻秀樹教授が指導する「函館国際化プロジェクトチーム」の3年生7人は、異文化を理解する公教育の必要性や技能実習生の交流の場の設置などを訴えた。工藤市長は「月に1度、Gスクエアで技能実習生を含めた在住外国人が集まる催しを企画してはどうか」と答えた。(稲船優香)