函館市のふるさと納税への2016年度の寄付額が、前年度を下回って推移している。寄付金に対し、市民が他の自治体に寄付した税金の控除額は増加しており、収支の赤字は確実。返礼品競争に慎重な市は新年度、特典の内容を見直す方針だ。
市財務部によると、16年度の寄付件数は昨年12月末現在、187件、1113万5000円。前年同期に比べ23件減、475万8000円少なくなっている。同部は「大口寄付のケースもあり、年度の合計金額が前年度を下回るか上回るか、先行きが見通せない」という。
市は現在、1万円以上の寄付者には寄付金額に応じて水産加工品を返礼している。自治体のために資金面で協力したいという制度の趣旨に沿って、豪華返礼品による″寄付争奪戦〟は避けてきた。
ところが、市が受け入れた寄付は15年度240件、1703万2000円だったのに対し、市民が他自治体に寄付したことによる市民税の控除額は約4800万円。制度によって約3100万円の税収が減る形となった。
同部は「返礼品を通じ特産品をPRすることで地元経済に貢献したい。結果的に収支も改善できれば」としている。(山崎大和)