函館市は、函館の繁栄の基礎を築いた江戸時代の豪商で兵庫県淡路島出身の高田屋嘉兵衛のつながりで、同県洲本市との連携を強化している。大規模地震に備えた広域支援体制を構築するため、洲本市と災害時の相互応援協定を締結。両市が迅速に支え合う体制を強化した。
市は昨年7月、洲本市と「高田屋嘉兵衛翁ゆかりの地」相互交流に関する協定を結んだ。嘉兵衛ゆかりの地として顕彰・追悼式やまつりの相互訪問などで交流してきたが、文化や観光、経済の面で連携を一層強める狙いがある。これを発展させる形で、今月5日には災害時の相互応援協定を結んだ。
大泉潤市長が洲本市を訪れ、上崎勝規市長と協定書にサイン。協定書には風水害、地震、津波などの被災を想定し、相互に人的、物的、技術的支援に取り組むことを盛り込み、平時から情報交換を密にして防災力向上に努める。
市によると、洲本市は南海トラフ地震で震度6弱~7の揺れが想定され、1995年の阪神・淡路大震災では4人が犠牲になった。一方、函館市は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定で、道は死者数が冬の夕方で2万9000人に上るとしている。近隣市町が支援困難な場合のバックアップとして、応援自治体は遠くにあった方が良いと判断した。
函館市が災害時の相互応援協定を結んだのは、道内が北斗市、七飯町、道外が奈良県五條市、千葉県成田市、大阪府泉佐野市に続いて6自治体目。2019年10月の台風19号では、成田市で河川氾濫での浸水被害や停電が発生したため、函館市からブルーシート1500枚を届けた実績がある。
函館市は「両市の連携を一層深め、互いの地域を迅速に支え合う体制の強化につながるもので、大変心強い」(災害対策課)としている。
(山崎大和)



