函館市企業局交通部は、人気の市電「箱館ハイカラ號(ごう)」の位置情報をホームページ上で提供する市電ロケーションシステムの試験公開を始めた。市内五稜郭町のIT企業「アプリシステムズ」(平井直弘社長)が開発。乗車や写真撮影のタイミングを知るツールとして市民や観光客の役に立ちそうだ。
同社は昨夏、市電車両に広告を掲出。平井社長(52)が撮影のために車両の到着を待った経験がシステム開発の提案につながった。平井社長は「観光客目線に立ったとき、どの車両がいつ来るのかが分かると便利だと考えた」と説明する。
衛星利用測位システム(GPS)機能を利用するため、中古のスマートフォン端末や格安SIMを活用。システム自体は同社の研修として構築し、開発費、運用費ともにコストを抑えた。平井社長は「英語や中国語など、外国語対応のページを9月中には提供したい」と話す。
15日に提供を開始し、ハイカラ號の今季運行が終了する10月末まで試行的に提供する。市交通部事業課は「ハイカラ號に乗るのを目的にやってくる観光客もいる。多くの人に利用してもらえれば」としている。ホームページ(http://haikarago.jp/haikara/index.php)では、アンケートページも公開し、本格導入に向けた検討材料とする。(今井正一)