函館ハリストス正教会(元町3、ニコライ・ドミートリエフ長司祭)の現聖堂築造100年を祝う記念行事が26日、同教会などで行われた。道内、東北の教会を管轄する日本ハリストス正教会東日本主教教区のセラフィム大主教を司祷(とう)に迎えた聖体礼儀や祝賀会が行われ、信徒ら約140人が節目を祝いながら聖堂を守り続けていくことを誓った。
1860(万延元)年にロシアの初代領事ゴシケービッチが礼拝堂を建て、日本で最初のロシア正教会が誕生。1907年(明治40)年の函館大火で最初に建てた建物は焼失したが、9年後の16(大正5)年に今の聖堂が建築された。
記念行事はニコライ長司祭ら有志の信徒が実行委を立ち上げ準備してきた。
同教会で行われた聖体礼儀はセラフィム大主教のほか、同教区内の司祭も参列。この行事のために結成した聖歌隊による聖歌の合唱が繰り広げられ、厳かな雰囲気の中、祈祷が行われた。
五島軒本店で行われた祝賀会には工藤寿樹市長ら来賓も出席。聖歌隊のミニコンサートも行われ、信徒らは料理を口にしながら歓談した。信徒の落合良治さん(69)は「感慨深いものがある。多くの市民の協力があったからこそ守り続けることができた。苦労された先人にあらためて敬意を示しながらこの先も守り続けたい」、聖歌隊の一員として合唱指導した大村義美さん(69)は「聖歌で100年を祝うことができてうれしい」と話した。ニコライ長司祭は「素晴らしいお祝いができた」と喜んでいた。(鈴木 潤)