函館市企業局交通部は14日、除雪用車両「ササラ電車」2両を試運転した。黄色と茶色のしま模様でおなじみの車両は、今年同じ色で25年ぶりに新しい塗装をまとい、本格的な降雪シーズンでの出動機会に備えた。
竹製ブラシのササラは、プラスチック製に比べて折れにくいのが特徴で、札幌市電でも使用されている。函館のササラ電車は、細く割った竹約200本でつくる束を、車体前後に計900束ほど取り付けて運行。ブラシを高速回転させて、軌道上の雪をはね飛ばすのが特徴で、昨冬は延べ14両が出動し、約304キロ走行した。
明治時代に製造された客車を1937(昭和12)年に改造したササラ電車は老朽化が進むが、今年は3年ぶりに台車を解体して総点検した。
この日は、駒場車庫でブラシを実際に動かして正常に回転するか確認した後、五稜郭公園前電停との間を往復した。同部施設課の工藤耕三運輸主任技師(43)は「冬の風物詩が化粧直しできれいになった。路面電車の定時運行を最大限に確保できるよう、役割を果たしたい」と話している。(山田大輔)