真夏の夜にきらめく一瞬の美しさ求めて―。函館市の五稜郭タワーアトリウムでは、13日~15日にかけてサボテン科の植物「月下美人」が愛らしい白い花を次々と咲かせた。夜間に咲き始め、早朝にはしぼんでしまう貴重な瞬間を見届けようと、大勢の市民や観光客らがアトリウムに詰めかけた。
月下美人は熱帯雨林地域が原産地。アトリウム内が一定の温度に保たれている同タワーでは3年前から育成している。昨年までは数えるほどしか花が咲かなかったが、今年の6月には10個ほどのつぼみが育ち、初めてまとまった開花が見られた。
8月に入ると新たに60個以上のつぼみが成長。同タワーでは多くの開花が予想される13、14の両日に通常の閉館時間の午後7時以降もアトリウムを特別開放。連日、60人以上が来場してにぎわった。
14日は、約20個のつぼみが午後7時半ごろから開き始め、午後8時ごろに全開の状態に。来場者は貴重な開花の様子を、カメラやスマートフォンなどで撮影して楽しんでいた。
神奈川県鎌倉市から函館の祖父母の元に遊びに来ていた佐藤たまきさん(小5)は「函館で珍しい花を見ることができてよかった。帰ったら友達に自慢したい」と喜んでいた。
同タワーの庭田徹渉外部長は「10月ごろにも咲きそうなつぼみが育っている。また深夜開放する予定なので、多くの市民に鑑賞してもらいたい」と話している。月下美人の開花に関する問い合わせは同タワー渉外部(0138・51・4785)へ。(小川俊之)