来年3月で廃止が決まった、札幌―青森間(479・1キロ)を結ぶ夜行急行列車「はまなす」が鉄道ファンなどから人気を集めている週末や祝日の指定席はほぼ完売の状態が続いており、JR全社で唯一残る急行列車のチケットは、今後ますます入手が難しくなりそうだ
同列車は、青函トンネルが開通した1988年3月に5両編成でデビュー現在は7両編成(定員313人)で、同区間を1日1往復し、約7時間半で結んでいる
JR北海道によると、特に人気が高いのが寝台車とカーペット車両2両の寝台車両は、旧国鉄時代に活躍していたブルートレインを一部改造して使用している「のびのびカーペットカー」と称した車両では横になって就寝でき、同様の車両を連結しているのは、全国でも首都圏と山陰地方を結ぶ「サンライズ出雲」など2列車のみだ
同社は9月16日、同列車を来年3月で廃止すると発表北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更で、従来の電気機関車が使えなくなるためだ
同日、札幌から青森まで同列車に乗車し、新幹線に乗り継いで東京へ向かった学生の金口健さん(21)は「北斗星に続いて、はまなすもなくなるのは本当に寂しい今のうちにしっかりと目に焼き付けておきたい」と話していた
同社は廃止後の代替列車として、札幌―室蘭間を結ぶ特急「すずらん」を増便し、夜間に運行する方向で調整を進めている(山田大輔)